ELECTIMUSS

ELECTIMUSS / MERCURIAL CASHMERE

kamogika

紹介

この豪華な琥珀色の香水は、樹脂ベースで官能的かつ柔らかく、楽しいです。

ベルガモット、ピンクペッパー、カルダモンのきらめくピリッとしたトップノートは、官能的でビロードのような、バターのような、パウダリーな花とアンバーグリスの心があなたを包み込む前のつかの間の喜びです。キャラメル、トンカ、バニラ、スパイシーなスモーキーウードと杉の琥珀色のベースノートが、しっとりと交わります。この香りは肌にたまらなく感傷的で、贅沢、誘惑、魅力を醸し出しています。

https://www.electimuss.com/product/mercurial-cashmere/より引用

構成

トップ|マダガスカルピンクペッパー、カルダモン、イタリアンベルガモット

ミドル|グレーアンバー、チューベローズ、バイオレット、アイリス

ラスト|ウード、ムスク、トンカ、バニラ、キャラメル、カシミアウッド、シダーウッド

調香師

ソフィア・バルデッリ

価格

100ml / 44,000円

ひとこと

今回紹介するのは、ELECTIMUSSからMERCURIAL CASHMEREという作品、直訳すると「気まぐれなカシミア」。ものに感情を与えるこの表現が、香りの奥行きをすでに物語っています。

トップノートが非常に素晴らしいです。まさにピリッとしたペッパーが、青葉の草原に爽やかなアクセントとなって香っています。

終始パウダリーなサラッとしたニュアンスを含んでいますが、トップはそれに加えて爽やかさと清潔さが見事にまとめ上げられています。鼻腔手前でくすぐるラムネのような清涼感が、思わず声が出るほど美しい。加えてバニラやキャラメルの濃厚な甘味が見え隠れするからたまらない。

さて、香りの変化が進むにつれてバイオレットやアイリスのフラワーベースな香りになります。日本で俗に言うところの「デパコス香水」の香りといえばそうでしょうが、その通り非常に上品なフローラルです。個人的には憧れた大人たちを想起して大好物なのですが。

また、こっそりとキャラメルやバニラの甘さも感じられるため単調な香りではありません。このあたりが気まぐれな所以でしょうか。とろけるような妖艶さをちらつかせる淑女から、このミドルノートは香ってきます間違いなく。

余談ですが、最近、村松友視著「いい女、演ってますか」という本を読んでいます。筆者が出会った”いい女”に焦点を当てた短編集ですが、この香りはまさに”いい女”のための香りですね。コンディションによって様々な香りの表情を演ってくれます。

美しい変遷を遂げた香りは、最後にはしっとりと甘いパウダリームスクに落ち着きます。長持ちする香りのため、朝つけた場合は夜までこの優しいムスクが包んでくれます。

  • “いい女”の片鱗を纏いたい女性(筆者曰く”いい女”と”純文学”は同じくらい答えがないものらしいですが)
  • フローラルな香りを探している方

におすすめです。

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300種以上試した香水好きの記録
300種以上の香水を嗅いできた筆者が、作品の素晴らしさが少しでも伝わるように丁寧レビューをしています。香水図鑑を作るのが目標です。 香水が好きな方もそうでない方も、立ち寄ってみてください。
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