L’ARTISAN PARFUMEUR / ヴェネナム
紹介
まるで口当たりのよい”ポイズン”のような、甘く包み込むような危険を感じる香り。
インドのマサラティーのスパイスが、サンダルウッドと混ざりあい、炊き立てのライスの香りが遥か遠い地を思い起こさせます。心地よさと、不安が混ざり合った新しい未知の世界。
ボタニカルイラストレーターの、ケイティ・スコットは、この幻想的な自然の奇跡や、夜の世界に生きる花の影を描き出しています。
https://latelierdesparfums.jp/collections/l-artisan-parfumeur/products/lb-venenum-edp-sprayより引用
構成
マサラチャイティー
ライス
サンダルウッド
調香師
ダフネ・ヴジェ
イメージカラー
紫 ・ 白
価格
75ml / 31,680円
ひとこと
口当たりのいいポイズンとはいかに。「良薬口に苦し」というからには「毒薬口に甘し」とでもいうのでしょうか。毒を香りで表現する技法に心踊らされます。
吹きつけた瞬間、口当たりのいいポイズンの真髄が明らかになります。サンダルウッドから成る、喉の奥を刺激するような甘いウッディ系の香りが広がります。ただ、奥に潜んでいる、チャイやシナモンを含むスパイシーな香調が、見え隠れする毒素を表現しているのでしょうか。「ただ甘いだけ」ではないのがヴェネナムの惹かれる理由でしょう。
さて、時が経つにつれて香調は全体的にパウダリーでミルキーに変化していきます。ある種刺激的なスパイシー・ウッディな香りが優しく移ろう様子は、まるで毒に身体を蝕まれているよう。直接的に毒を表現しているわけではなく、毒に蝕まれた身体の変化を表現しているのでしょうか。香りに毒々しさは全くなく、時が立ってミドル→ラストへと香りが変化すると心地よさまで感じます。
寝る前につけると真価を発揮しそうです。その香りの変化は、深い眠りへと誘ってくれるでしょう。私的には、あまり紹介文にあるような不安の要素は感じませんでした。
季節は冬寄り、湿気の少ない方が良い等ある程度シチュエーションは選びそうですが、故にハマったら際立って惹きつける香りを放ちそうです。個性的な一本ですね。あなたのシンボルになりうる香りです。是非一度その毒に侵されてみては。